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ヴェネツィア ときどき イタリア

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武田同門会(能楽公演)

観世能楽堂

仕舞
 屋島・半蔀

 菊慈童(シテ 郷 三枝子、ワキ 村瀬 慧)
狂言
 呼声(シテ 野村 萬斎)
素謡
 松風(ツレ 武田 文志、シテ 新井 和明、ワキ 松木 千俊)
仕舞
 歌占・雲雀山・鉄輪

 善界(ツレ 武田 宗典、シテ 武田 友志、ワキ 舘田 善博)

観劇やコンサート、ゆっくり余裕を持って会場に到着し、売店をひやかしたりしながら心の準備をして臨もう、といつもいつも思うのに、当日は毎回、ぎりぎりに駆けつける羽目になる。まして今日は、慣れないお能。今日までに予習をしておこう、というのも思っただけで実行できず。せめて会場でプログラムをじっくり読んで・・・というつもりだったのに、結局開演ぎりぎりに席にすべり込んだ。
番組前の「おまけ」プログラムで、松木千俊さんによる「装束着付け実演」から始まった。今日のテーマは「狩衣」。狩衣とか直衣だとか、1年前まではせいぜい源氏物語(もちろんマンガの)でなんとなく知るくらいだったが、卒論で日本の装束を取り上げてにわか勉強した。だから絵や写真としては多少理解しているつもりだったが、やはり実際に着付けているところを見るのは全然違う。役柄による袷と一重の使い分けなど、ふむふむ、という感じで聞く。今日の公演では、「(金箔が豪華すぎて)そう見えないけれども、実は大変古い衣装」も使われるというので、楽しみに待つ。
和楽器の合奏と舞い。正直なところを言えば、これが何か自分の中にある懐かしいものだったりするかというと、そうとは言い切れない。ほとんど培われないままにここまで来てしまっていて、むしろ新鮮といったほうがいいかもしれない。
そして能。何年も前に1,2回見たときには、全くわからないものとしてあきらめてしまっていた。今回はどうだろう?と思って臨んだのだが、部分的にわかるような、わからないような謡がもどかしい。もう少しわかればずっと楽しいと思うのだが・・・。ちなみに周りは、ほとんどが門下生や趣味で謡をやっている人とみえ、みな本を開いて一字一句追っている。それはそれで、公演を見に(聞きに)来ているというよりは、おさらいに来ているような感じ。
本来は休憩にあたる狂言。テレビや他分野での活躍も著しい野村萬斎さん、実は私が初めて見た狂言は萬斎さんがまだ武司さんだったころに見た「ござるの会」だった。なつかしい。そししてやっぱり狂言はわかりやすい・・・。気楽さと元来の「おかしみ」に誘われ、大口をあけて笑う。
麻や綿でイキな文様で遊ぶ狂言の装束と、豪華絢爛な能装束との対比がまた面白い。
素謡のあと、休憩。お手洗いにかけこみ、すぐに席に戻って、渋谷東急で買ってきた笹寿しをコソコソと慌てて食べる。食べ終わるか終わらないかのところで、すでに舞台にはするすると囃子方と地謡の方々が登場している。
休憩がまた10分というのは、全体で4時間くらいの公演の中で、いくらなんでも短過ぎないだろうか?あまりにも慌ただしいが、長いと、ここで帰ってしまう人がいるのだろう。
お腹が満たされたら眠くなるかと心配したが、適度にエネルギーが補給されて、かえって集中して鑑賞することができた。
舞台背景が一切なく、衣装やジェスチャーで多くを語る能・狂言。狂言が100%楽しめるのも、なんだかんだと何度も通って、そのお約束に慣れているから。次回はお能ももう少し勉強して、楽しみ度を増していたい。

18 dicembre 2007
by fumieve | 2007-12-18 23:35 | 日本事情
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