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ヴェネツィア ときどき イタリア

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トリノ アーチストの光

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1月13日まで

Luci d’artista, Torino
Dal 6 novembre 07 al 13 gennaio 2008
http://www.comune.torino.it/artecultura/luciartista/


イタリア現代美術の町として、市・県・州をあげて力を入れているトリノ、このイベントも、その一環。話には聞いていて、一度は見てみたいと思っていたのだが、今回ラッキーなことに、最終日に間に合って楽しむことができた。

イタリアのクリスマス・イルミネーションは、たいてい日本から見ると拍子抜けするくらい地味。各地の、通りごとに両側からつり下げたイルミネーション、たいていはクリスマスらしい模様(星、ろうそく、天使、クリスマス・ツリーなど)が単純に、平面で1色またはせいぜい2,3色で描かれている。ヴェネツィアのように狭い通りでは、模様もなく、ただ小さいランプが連なって光の雨になっている程度のものも多い。
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ここ、トリノでは、そのクリスマス・イルミネーションを、アーチストの表現の場にしているらしい。
トリノ中央駅にあたる、ポルタ・ノーヴァ駅から中心街に向かってまっすぐのびる、ローマ通り(Via Roma)には、巨大な「まりも」が出現。世界のブランド・ショップがさりげなく並ぶこの通りを飾ったのは、ほぼ地元、ノヴァーラ生まれのアーチスト、エンリーカ・ボルギ、タイトルは「雪の玉(Palle di neve)」。昼間からかなりの存在感を示しているが、夜、光が灯ってからのなんとも幻想的なこと。
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町一番の目抜き通り、市民がショッピング、ウィンドウ・ショッピングにそぞろ歩くガリバルディ通り(Via Garibaldi)は、なんとあの、去年私がハマった、フェリーチェ・カゾラーティの長男、フランチェスコ・カゾラーティの 「・・・上を飛ぶ(Volo Su...)」という作品。平面に単色でひと筆描きのように描かれた鳥の絵は、伝統的なイルミネーション。ただしここでは、同じ鳥ながら、羽や嘴を広げていたり、閉じていたり、と1つ1つ姿を変えて左右交互に現れる。その鳥たちが、1本の赤い糸をくわえているのだが、それが、長い長い通りの端から端まで、ずっとつながっている。鳥の絵が、ちょっとぎこちなく直線的に描かれているのに対し、赤い糸はゆるやかにカーブをつけてたわんでいて、その対比も独特の効果を出している。昼間は、晴れていればそのずっと先に、真白に雪をかぶったアルプスが見える。
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脇にちょっと入ったところにある、市役所広場(Piazza Palazzo di Città) に現れるのは、ダニエル・ブレン(仏)の「空飛ぶじゅうたん(Tappeto volante)」。じゅうたん、というよりは光の網といった感じだが、赤・青・白の小さな立方体の色合いが、なぜか日本のお祭りのちょうちんを思い起こさせる。


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チェルナイア通り(via Cernaia)からピエトロ・ミッカ通り(via Pietro Micca)を飾るのは、カルメロ・ジャンネッロの「プラネタリウム(Planetario)」。星座を模した光の「絵」が、広い通りにずらりと連なる様子は壮観。
残念ながら、ふつうの写真ではその魅力が100%伝わらない。これはやはりぜひ、直接見て楽しんでほしい!
今回は私もこれだけしか見られなかったが、きっとまだまだ個性的な光のアートがあるに違いない。webサイトがとてもよくできていて写真もきれいなので、興味のある方はぜひ、そちらもどうぞ。

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13 gennaio 2008
by fumieve | 2008-01-14 08:13 | 見る・観る
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