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ヴェネツィア ときどき イタリア

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ここはどこでしょう?

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こうやって写真で見るとまるで模型のようなこの建物、実はヴェネツィアにあると言ったら結構驚かれるかもしれない。さすがにヴェネツィアの本島ではないが、魚の形をした本島の、それを支えるように南側にぴったり寄り添うジュデッカ島(Giudecca)にある、Teatro Junghansという小劇場。
昨年末に数回に分けて紹介した、大学の「映画祭史」は、同じ文学哲学部の中でも、音楽・演劇・映画などを扱ういわばエンタメ学科に所属し、校舎がこのジュデッカ島にある。授業でも通ってきていたのだが、今日は試験のため、再び(ちょっと久しぶりに)ジュデッカ島に渡った。

ジュデッカ運河をはさんで目の前、本島から水上バスでわずか数分。16世紀にパッラーディオの設計により建てられたレデントーレ教会をはじめ、本島に面している側は完全にヴェネツィアの典型的な風景を保っている。以前、親しい友人が住んでいたのでたびたび遊びに行ったが、狭い路地に小さな間口、玄関を開けるといきなり台所、と、本島と全く変わらぬ、狭い空間を最大限に生かしたムリムリ構造だった。

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エンタメ学科の校舎も、外壁は多少新しいものの、小さな木製のドアを開けるといきなり狭く暗い階段、上がったところに学生が入りきらない小さな教室がいくつかあり、ビデオや映写機がろくに動かない・・・とこれも本島にある他の校舎と変わらず。

今日は口述試験で、私の順番は30番。何番であろうとも一応開始時間にはいなければならないのが原則。人数が多いからひょっとして翌日以降に分割するかと期待したがそれもなく、したがってひたすら待つ。といって待合室などがあるわけでもなく、最初に運よく占めた椅子にしがみついていたが、座り続けているのにも疲れ、途中で散歩にでかけた。

校舎を出て、すぐ裏に回ってみたところで目にしたのが、実はこの建物。今まで、船着場から校舎までを往復していただけだったから、全く知らなかった。見て、ほんとうにびっくり。小劇場があるのはポスターなどで知っていたが、まさかこんな建物だったとは。

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そしてその周り、新開発地帯とでもいったらいいだろうか、新しいアパートが何軒か並んでいるのだが、これがまた嘘のようなモダンな建物。
建物の玄関口が全部ガラスになっていたり、と、材質や色が現代風になってはいるが、よく見るとヴェネツィアの伝統的な形をそのまま踏襲していている。洗濯物を干したり、日光浴や夕涼みに最適なアルターナ(altana、屋上テラス)。低くて狭いが、ちょっとあると便利なポルティコ(portico、柱廊)。そして、太鼓橋。
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そういえば、数年前に友人たちと散歩したときには、まだ工事中だったかもしれない。うんとお金を稼いだら、ここのアパートを1軒買いたい、と言ってたような・・・。

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ミニシアターがある一角は、完全に全てがモダンなのだが、途中、伝統的な建物と、今風な建物が隣り合って建っているところもある。違和感なくうまく調和しているのはさすが。

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散歩2度めはそろそろ夕暮れ。
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ちょうど4時間待って、ようやく試験を無事に終えて出てきたときには、外はもう、もちろん真っ暗だった。

11 febbraio 2008
by fumieve | 2008-02-12 23:50 | ヴェネツィア
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