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ヴェネツィア ときどき イタリア

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イタリア総選挙

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Elezioni 2008

長いこといろいろと盛り上がっていた、イタリア上・下院の総選挙がようやく終了した。

日本語では便宜上、上・下院と呼んでいるようだが、ちなみにイタリア語をそのまま訳すと、上院は、ほんとは「元老院」(Senato、古代ローマやヴェネツィア共和国のそれと同じ単語)、下院は「議会」(Camera)。前者はの投票権は選挙当日に満25歳以上、後者は18歳。
どちらも比例代表制。投票用紙には政党のマークが並んでいて、投票したいところに大きく×をつける。

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投票は、昨日、4月13日(日)の8時から22時までと、今日、14日(月)の7時から15時まで。投票日が2日にわたっていること、それも週末の土日でなく、月曜にかかっているのは、投票率を上げるにはいい方法だと思う。
日曜にフルタイムで仕事のある人はもちろんだが、日曜日は家を空けられない、小さな子どもや介護を要する老人などを抱える家族も、月曜日なら学校があったり、人の手を借りることも可能になりやすいだろうから。

もう1つ、イタリアの選挙のすごいところは、学生や単身赴任など、住民票があるところとふだん違うところに住んでいる人が、投票のために帰省するとその電車代の4割だったか6割だったかが払い戻しになること。普通乗車運賃だけで、特急料金や指定料金などは含まれないのと、電車だけなので例えばヴェネツィアに住むシチリア人でも、飛行機を利用できずひたすら電車で帰らねばならないけど、それでも、それなら選挙の機会に帰省しよう(そして久しぶりにマンマのおいしい料理にありつこう)と思う人が増えるのは当然だろう。
投票が、「義務」、というよりは「推奨」されている感じがする。
ちなみに、シチリアはフェリー電車(というのか?)で本土から電車で帰れるが、それができないサルデーニャ島はどういう扱いになっているのかは、不明。

そして、やはり特殊事情すぎてイタリア国内でもきっとあまり知られていないが、選挙の日は、ヴェネツィアの水上バスが・・・みんなが選挙に行きやすくなるために大幅に増便される・・・のではなく、逆に間引き運転になる。
水上バス(ヴァポレット)は、いわゆるヴェネツィア市営バスの一部なのだが、あの運転手と車掌、いずれも「船乗り」(marinaio)と呼ばれる彼らは、実は圧倒的に近隣のキオッジャ(Chioggia)からの出稼ぎが多い、らしい。ヴェネツィア本島から、ラグーナ内を南に下がったところにあるヴェネツィア県キオッジャ市は、実はヴェネツィアと同じような海の上の町。町の中を運河が走る、ヴェネツィアと似たような構造だから、住民は根っからの船乗りが多いが、観光地でないために漁業以外に特に産業がなく、多くがヴェネツィアに働きに来ている。だから、そんな彼らに選挙休暇(?)を与えると、水上バスのシフトが成り立たなくなる・・・と。
従って、今回のような国政選挙だけでなく、キオッジャ市の地方選の際にも同じことが起こる。

選挙に戻ると、今回の注目点はまず、中道左派連合政権であったプローディ前首相の辞職を受けての選挙にあたるため、まず、再び中道右派が盛り返すのかどうか。いずれにしても、複数の政党による連合政権のために、なにかとすぐに造反、離脱があって一向に安定しないので、より安定した政治を目指して、二大政党化をはかる(はかれる)のか。実質、左派=新生・民主党の党主、現ローマ市長のヴェルトローニと、右派=元首相ベルルスコーニの一騎打ちが見込まれる中、他の中小の政党がどこまで票を伸ばすのか。

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昼間うっかりと、「そういえば選挙はどうなっているかな・・・」とテレビをつけたら、RAI1は、私の1番好きなアナウンサー(というか彼らは「ジャーナリスト」なのだが)、David Sassari氏が速報番組の司会をしていたので、思わず見入ってしまった。
州ごと、上院・下院別の開票速報を次々と見せ、合い間にスタジオにすわっている、主な党の関係者のコメントを聞く。日本のNHKの選挙速報とそう変わりないだろうと思う。が、イタリアはほんとに、州によって政治の傾向が全然違って、それが面白い。あまりの違いに、思わずテレビに向かって1人、えええ~?っと叫んだり・・・。
歴史も風土も、環境も条件も、あまりにも違う。1つの方向にまとまるのは絶対に無理に違いない、この国の難しさを思う。
が、David氏、紺色のジャケットに黒のズボン姿というのはちょっとどうなのか・・・と、余計なこともついつい気になる。

結果は、おそらく大方が予想していたとおり、中道右派が上・下院ともに左派を大きく引き離して制覇。2大政党に票が集中し、中小のほかの政党が一部の例外をのぞいてほとんど惨敗、議席を完全に失うところもでた一方、右派も1党による単独勝利ではなく、北部同盟(Lega Nord)の協力な助けを得てこその過半数。
なんだか結局、もとのもくあみ・・・のような・・・。
いや、在住外国人の1人としては、憂うべき結果なのだろう、やはり。

追加・訂正:↑をアップした後、再びテレビをつけたところ、ヴェネト州のうち、トレヴィーゾ、ヴェローナ、ヴィチェンツァの各県では、北部同盟が大躍進、ベルルスコーニ率いる「自由の民・連合」、ヴェルトローニの民主党を抑えて、なんと第1政党に。もともと右派・北部同盟の強いエリアとはいえ、2大政党どころの話ではなくなっている・・・。
一方、ヴェネツィア県はというと、自由の民+北部同盟では左派を上回るものの、党別では民主党が最も票を集めている。ま、このねじれ現象はいつものことなのだが。


さらに訂正:↑テレビの言葉をそのまま受け売りで書いてしまいましたが、翌日の新聞の表によると、2006年選挙時ですでに、トレヴィーゾ、ヴェローナ、ヴィチェンツァは北部同盟が第1党になっていました。ろくろく調べもせずに適当に書いてしまい、大変失礼しました。お詫びいたします。

14 aprile 2008
by fumieve | 2008-04-15 06:16 | 日常生活
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