「ここが、南ラグーナ(Laguna Sud)。」
イタリア半島の付け根、北はイエゾロ(Jesolo)の細長い海岸から、南はキオッジャ(Chioggia)まで、リド島(Lido)とペッレストリーナ島(Pellestrina)という自然の堤防に囲まれた広いラグーナ地帯。その真ん中に、太めの魚の形をして浮かぶのがヴェネツィアで、そこから北を北ラグーナ、南を南ラグーナと呼ぶ。
ムラノ(Murano)、ブラーノ(Brano)、トルチェッロ(Torcello)と、観光などでも訪れる機会のある北ラグーナと違い、この南ラグーナには初めて来た。
嵐の去った後の、静謐にさえ見える広く穏やかな海だが、ラグーナ内はほとんどが浅瀬で、無数の水路が網の目のように張り巡らされている。水路を知らずして、このラグーナ内で船を進めることはできない。昔から、ヴェネツィアとその周辺の島々を外部から守ってきた、天然の要塞。
キオッジャの魚祭りで、期待が大きすぎたために、失望もハンパでなかった私たちを救ったのは、ほんの15分の水上散歩だった。がっかりしながらも、とりあえず写真だけでも撮ろうと夢中だった私を横目に、友人は何やらインフォメーションらしきスタンドへ。時間がかかっているので、何だろう?と思ったところ、名前、連絡先などをカードに書き込むと、無料の水上ツアーに参加できるという。どうやら市の観光課のプロモーション活動の1つらしい。
ベッレストリーナ、リドへ帰る水上バスの乗り場の横、今まさに出ようとするところ、次は15分後!と言っているのに、帰りの時間があるから、と強引に2人、追加で乗せてもらった。
以下、漁船を改造した(?)らしきツアー船の運転手兼ガイドさんの解説から。
まずこのキオッジャが、イタリア第2の漁港であること、とくに一種のアサリについては収穫量イタリア1であること。
魚祭りの店が並んでいたメインストリートと並行して走るこの運河は、ロンバルド運河という。なぜなら、かつてはここからずっと水路をたどって、ロンバルディア地方まで行っていたから。この
運河には可動式の橋が2つ。跳ね橋と、もう1つはスライド橋。
橋を2つくぐって、
出たところが一番上の写真、南ラグーナ。
Uターンすると、同じロンバルド運河はいつの間にかすっかり暗闇に覆われていた。
係留地を通り過ぎ、水上バス乗り場を越える。メインの運河の入口にかかるのは、ヴィーゴ橋(Ponte di Vigo)、ヴェネツィアのリアルト橋より古い歴史を持つという。
さて、次の順番を待つ人々に船を譲って、私たちはそろそろヴェネツィアに帰るとしよう・・・。
「ウリッセ」号水上15分無料散歩サービスは、サグラ期間中(7月11日~20)毎日、20.00時から。メイン・ストリート(Corso del Popolo)のインフォメーションにて名前と引き換えにチケットをもらう必要あり。
14 luglio 2008