どうして今まで紹介せずにいなかったのか、不思議なくらい。
オリジナル料理のおいしい、ちょっとおしゃれだけど気取ってない、リーズナブルで満足度100%のヴェネツィアのレストラン、「ラ・ズッカ」(La Zucca)。
著名レストランで修業したシェフ等々のいない、いろいろな経歴の持ち主の女性たちがしばしば大声でケンカをしながら用意するという料理は、伝統や形式にこだわらない、どれも独創的なもの。といって、決して個性の強すぎる不思議な料理ではなく、むしろ、自宅でふつうに作った食事のような家庭的な味で、食べると舌も胃もほっとするような気がする。
ちなみに店名のLa Zuccaは「かぼちゃ」のこと。かぼちゃ料理の専門店というわけではないが、「かぼちゃのフラン」など定番の自慢料理がある。
メニューは日替わり。
イタリアの一般のレストラン同様、前菜(antipasto)、パスタ類(primo piatto)、メイン(secondo piatto)、付け合わせ(contorno)、デザート(dolce)と一応わかれているが、ここで嬉しいのは、メインに必ず、野菜が合わせてあること。
もちろん、イタリア人らしく、前菜+パスタとか、前菜+メイン、あるいはフルコースで食べてもいいが、通常の日本人女性なら、メインをワンプレートで頼んでも十分かもしれない。
もちろん、ここはデザートもどれも逸品なので、いずれにしてもぜひとも味わっていただきたいのだが。
今日のお勧めの中から選んだのはこちら:
豚肉のロースト、カボチャと野菜のサフラン味添え
やわらかいお肉に、カボチャを中心とした野菜の甘みがしっとり。
兎肉のロースト、ミニトマトとバジルのソースがけ、ライス添え
かなりのボリュームのお肉に、夏らしくさっぱりのイタリアらしい味。
桃のババロア、「フラゴラ」ブドウのソース
桃の果肉たっぷり、桃そのものの自然な味のババロアに濃厚なブドウのソースはまさに天にも昇る気持ち・・・。
ラズベリーのシャルロット
こちらは甘めのクリームの中に、ときどき現れる生のラズベリーがきりりとすっぱく、その対比が後を引く、危険な味。
主な観光地からはちょっと外れているが、ヴェネツィア土着の味に飽きて、ちょっとひとひねりしたものが食べたくなったとき、おいしく野菜をたくさん食べたいときなどには絶対に絶対にお勧め!!!
駅からなら歩いて5分ほどのサン・ジャコモ・デッロリオ(Campo S.Giacomo dell’Orio)広場に出て、そこから1番奥に延びる道を進み、右向きにかかる橋をわたってそのたもと。
木目のモダンな店内にはいろんなかぼちゃの絵がかかっていて楽しい。
La Zucca
Santa Croce 1762 (ponte del Megio)
Tel. 041 5241570
14 ago 2008