北京オリンピックが終わった。
あの金・銀・銅のメダルというのは、ちなみにどのくらい余分に作っておくものなのだろう?
そして、大会終了後、その「残り」はどうなるのだろう?
・・・と、ふとそんなことを思わせることがあった。
いつものことながら、個人的には、国別にメダルをいくつ取ったとか、そういうことにはあまり興味がなくて、どんな競技にせよ、世界という舞台に到達し、さらにその頂点に立つ人というのは、すごい、と思う。その生まれついての能力に加え、努力や運、まわりのサポートなど、ありとあらゆることが重なってこそだが、それにしても、その栄光の瞬間というのは、たとえニュースでダイジェストで見たとしても、だからどの国の選手にしたって、やっぱりすごいな~と思ってしまう。
イタリアは日本ほど、オリンピックに盛り上がらない。ダレソレが金メダルをかけた争い、あるいは注目のナントカの試合、それを生中継で見るために、わざわざ早起きしてみたりするのは、せいぜいその選手の家族ぐらいだろう。
ただ、例年なら思いっきり夏休みモードで、古い映画などばかりが繰り返しかかっているテレビで、つければどうしても、イタリア人選手の活躍を中心にオリンピックを見せているから、みんな「つい」「なんとなく」見ている程度の人が多いのでは、と推察する。
消極的ながら、なんとなく「あれ見た?」「すごかったね~」という声が聞こえるから。
スポーツは一般にお金がかかる。
イタリアの南北経済格差を見事に反映しているように思うのは、さまざまな競技の選手たち、圧倒的に北~中部の出身が多いこと。昨日(25日)のRepubblica紙に、メダリストの出身地別の図が出ていたので数えてみると、州別で一番多いのがここヴェネトで8名(メダルは9個)。次いで多いのはピエモンテやトスカーナ、そしてラツィオ(州都ローマ)が4名。南はというと、カンパーニア(州都ナポリ)が6名と多いが、あとはシチリアで1人。かつ女性がなんと皆無!
数大会連続出場と「ママ」選手の活躍が目立ったのは、いずれも北~中部の出身だった。
ヴェネトで各種スポーツがさかんなのは、その分サッカーへの興味が希薄なのとちょうど裏表の関係に思える。
話がそれてしまった。
いくつか気になった話題を。
フェンシングでメダル2つを獲得した、
トレヴィーゾ出身のマッテオ・タリオリオール(Matteo Tarliariol)選手。
個人で金を取ったあと、団体戦3位決定戦、試合中に転倒し、けがのため控えの選手と交代した。チームは見事に銅メダル獲得。その交代が、実は、控えの選手にも銅メダルを取らせるための行為だった、という。曰く、サッカー(の大会?)などは、たとえ試合に出なくても控えの選手にも全員メダルを渡される。が、オリンピック規定では試合に出なかった控えの選手には何も渡さないことになっている。チームメイトにも銅メダルを受け取ってほしくて、転倒した際にあえて、即刻交代を要求した、と。
それがいいとか、悪いとか、はっきり言って私にはよくわからないが、ふーん・・・、と思った話。もちろんその試合、途中まで出ていた彼も、銅メダルを受け取っている。
もう1つはゴシップ。50km競歩で金メダルを取ったアレックス・シュヴァツァー(?、Alex Schwazer)選手は、
ボルツァーノ県出身。地味な競技らしく修行僧のような忍耐あるのみのような、若いのに年季の入ったしぶい顔つきなのだが、なんと、フィギュア・スケート選手コストナーと付き合っているらしい!!!(←ミーハー?)もともと彼のほうが彼女のファンで、花束を贈ったりしていたが、トリノで出会い、出身も近い馴染みもあって、いつのまにか相思相愛の仲に。(ヤッタネ!アレックス!!!)試合中、右腕にはまっていた銀のブレスレットは勝利のお守り、彼女からのプレゼントだそう。(←ミーハー×2???)
どっかの新聞が、二人合わせて44歳だか45歳だか、と書いていたが、余計なお世話!!!
一方で、わずか1cmちょっとの差で金を取り損なった、カヌーのヨセファ・イデム(Josefa Idem)は43歳(出身はドイツ)。オリンピック出場7回目というからびっくりだが、ロンドンへも意欲を見せている。たくましき、母。
そしてそんな彼女をはじめ、チベット問題に高い関心をよせるイタリア人選手たちの間から、自分たちのユニフォームなどを、ダライ・ラマ氏に贈呈したいという声が出ているという。
女性の活躍が目立った一方、サッカーやバレー、マラソンなど、期待された競技でメダルが取れなかったのは、案外日本と似ているかもしれない。
気にしていないのに、国別ランキングで常に日本とイタリアが順位を争っていたのも、なんとも不思議だった。(ちなみに、金メダルの数では日本が上だが、アメリカ式にメダル総数で見るとイタリアが日本を上回る!)
・・・と、なにはともあれ、スポーツの国際祭典は終了した。
こちらヴェネツィア、リド島では、明日の開幕に向け、ただいま準備中・・・。
26 ago 2008