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ヴェネツィア ときどき イタリア

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歴史的レガッタ2008 後編



仮装行列が終わって、参加していた舟たちもそれぞれ岸に寄って、レガッタ観戦態勢に入る。
レガッタそのものはこの日だけではなく、春から秋にかけて、種別やコースを変えて、何回かある。だから、歴史的レガッタに限ったことではないが、レガッタを間近で見ると、まさにこれこそが、ヴェネツィアのほんとうの市民たちが楽しんでいる行事なのだと実感する。
あの派手なパレードは、あれは言ってみれば前哨戦のようなもの。ヴェネツィア人にとっては、ここからが本番。

本日の一番手は、青少年2人漕ぎ。
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ジャルディーニ(Giardini)を出発した彼らは、サンマルコ湾を横切り、カナル・グランデに入ってくる。カナル・グランデ沿いにはスピーカーが設置され、実況中継が放送される。もちろんイタリア語なのだが、何年か前に、だんだん興奮してきた中継者が、最後は思いっきりヴェネツィア弁になっていたのが笑えたっけ。

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トップに、紫(viola)チーム、続くのが赤(rosso)、白(bianco)・・・。
リアルト橋付近で折り返し、ヴェネツィア大学の本部となっている、カ・フォスカリ(Ca’ Foscari)前でゴール。結局、紫チームが逃げ切って優勝した。
ちなみに、漕いでいた舟は、プッパリーノ(Pupparino)というらしい。




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お次は女子2人漕ぎ。舟はマスカレータ(mascareta)。
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やはりトップが紫(viola)、そして緑(verde)、その後ろは茶(marron)・・・だろうか?
出発は同じジャルディーニだが、彼女たちはリアルトを超え、そこから駅に向かう途中の地点で折り返すらしい。
それにしても、近くで見るとそのたくましいことと言ったら。



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実は隣で見ていた男の子、ママが参加していたらしい。ところがその舟、ピンク(rosa)が残念ながら後ろから2番目・・・というのを実況で聞いたとたんに、応援をやめて隠れてしまった。おばあちゃんに「出ているだけでもすごいことなのよ。ちゃんと拍手しなさい」と諭されていたが・・・。
女子チームも、紫(viola)がそのまま逃げ切った。

小回りのきく小型車のような2人漕ぎの続いた後、どどどど・・・と重量級でやってきたのが、カオルリーナ(Caorlina)6人漕ぎ。

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本日のパンフレットの解説によると、すでに16世紀の版画に登場するというこの形の舟、名前はヴェネツィア近郊の町、カオルレ(Caorle)に由来するらしい。見ての通り、競争用の舟ではなく、運送用。スポーツ・カーでなく、トラック野郎の競争、という感じだろうか。
2人漕ぎが、個人同士のペアなのに対し、このカオルリーナは地域対抗になっているのが面白い。

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先頭の緑(verde)はCastello(カステッロ地区)。ヴェネツィア弁でCasteo(カステオ)とも。









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次のピンク(rosa)がBurano(ブラーノ島)。そして白(bianco)が、わが地区Dorsoduro(ドルソドゥーロ地区)。









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水色(celeste)はJesolo(イエゾロ)、










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黄色(canarin)がLio Piccolo Mesole(どこ?)。
むこうに見えるオレンジ(arancio)がGiudecca(ジュデッカ島)。
彼らは大運河をずっとさかのぼり、駅の先、ローマ広場近くまで行って折り返す。



トラック野郎たちがいったん去っていったあと、たまたま近くに知り合いがいたらしく、女子優勝ペアがよってきてくれた。手にしているのが、優勝旗。放送を聞いていると、どうやら4位まで、表彰されるらしい。

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ここへ、番外編でやってきたのは、ガレオーネ(Galeone)8人漕ぎ。

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ヴェネツィア大学(Ca’ Foscari)、ヴェネツィア建築大学(IUAV)の対抗戦で、リアルトからカ・フォスカリ前まで、2回戦する。
ほかの競技が全部、前を向いて、立って漕ぐスタイルなのに、これだけは後ろ向きに座って漕いでいる。ヴェネツィア独特の立ち漕ぎは、なかなか大学のクラブ程度では難しいのかもしれない。

そしていよいよ、今日のハイライト!いや、今日だけでなく、レガッタのトリといえばいつもこれなのだが・・・ゴンドラこぎ2人によるゴンドラ・レース。

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さすがにスピードも速くて、きた!と思ったらあっという間に去っていく。




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その後ろについていた不思議な1艘の舟、赤と緑で交互になった、ちょっとピエロみたいな姿をしたこの舟は、リザーブ要因だった。ママが弱くてふてくされてしまった男の子の、こちらはなんとお父さんだった!






ジリジリの炎天から途中、一瞬雨がぱらついたりしたが、気がつくとまた青空に。

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再びやってきた大学対抗戦。これは結局、2-0でカ・フォスカリ・チームが優勝した。やった~!

駅の向こうまで行って引き返してくるゴンドラを待っていたら、夕焼けがちょうど運河沿いの建物に当たって、神々しいほどの色に輝いていた。
その黄金色の水上をすべるように近づいてくるゴンドラたち。

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連続優勝のかかっていた黄(canarin)ペアが、結局逃げ切って優勝を手にした。

8 settembre 2008
by fumieve | 2008-09-09 07:07 | ヴェネツィア
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