いまさらのようだが、ムラーノ島のガラス工房をいくつか、じっくり見学する機会を得た。
マエストロ(師匠)の腕は、まさに「神の手」。何十年もの経験がそうさせるとわかっていても、ただただ感嘆するだけ。
フリーハンドのように見える中にも、実は緻密に計算されつくした動きが隠されている。
ガラスという素材と、それぞれの色を知りつくしてこそ。
そして大きな工房では、マエストロが1つ作品を作るのに、いくつものアシスタントの手がかかっていることがわかる。次に使うガラスを窯で温め、必要なだけすくいとり、絶妙なタイミングで差し出す。あるいは、重いものを支える。
3人、4人というチームによる、「ものを作る」ための、万事全く無駄のない動き。
そこに「言葉」が介在することはほとんどない。
いとも簡単に、自由自在に姿を変え、やがて形をなしてくるガラスに改めて魅了される。
ムラーノのガラス、もっと知りたい。
27 ottobre 2008