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ヴェネツィア ときどき イタリア

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アンティーク風名刺を手に入れる~活版印刷屋、ジャンニ・バッソ

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頼んでいた名刺ができた、と電話をもらったので取りに行った。
平日は行けそうになかったから、「土曜日もあいてる?」と聞くと、「9:00~12:00」。う~ん、休日寝坊な私には苦しい時間帯・・・。案の定、11:50にぎりぎりでたどり着いたら、まだほかに2組も先客があって、ほっとしつつつ、これ幸いと写真を撮る。

ムラーノ島に向かう水上バス乗り場、フォンダメンテ・ノーヴェ(F.te Nove)へ向かう、細長い道の1つ、カッレ・デル・フーモ(Calle del fumo)。ウィンドウに、ちょっと古風なカード類のほか、名刺とex librisという蔵書票が並ぶ。

スタンパトーレ(stampatore、印刷屋)、ジャンニ・バッソさん。
ありとあらゆる日本語のガイドや雑誌に載っていて、いまさら、なのだが。

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かつて、もともとの資源を持たないヴェネツィア共和国にとって、印刷・製本業は主要産業の1つだった。今では考えられないことだが、出版業は文化の発信の役割を担うと同時に、利を産む加工貿易でもあった。まして、ヴァチカンと距離をおいていたヴェネツィアは、ローマでは発禁処分にあった、哲学・思想もの、自然科学ものなどを積極的に出版して(儲けて)いた。

そんなヴェネツィアの伝統産業も、19-20世紀の産業革命を経てやがて廃れていく。
ジャンニさんは、使われなくなって、打ち捨てられるはずだった印刷機や活字を買い取って、昔ながらの印刷屋をはじめた。
古い活字を組んで、同じく古い昔ながらの小さな模様や絵を組み合わせて、版を作る。
結婚式や転居、赤ちゃん誕生のお知らせ。特別な招待状などのほか、名前やイニシャル入りレターヘッドなど。注文制作だから何でもできるが、圧倒的に人気なのが、名刺とex libris。

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何百、いや、おそらく何千とある見本の中から、だいたいのパターンを決める。まず、図柄を何にするか。植物的な模様やアルファベットの装飾文字、あるいは、ねこやさる、ピアノにヴァイオリン、本や天使にピエロ・・・などの絵を選ぶ。それから入れる文字を指定する。名前と、ほかに必要な情報、つまり住所や電話、もちろん、職業や社名などのバランスも考えつつ、縦・横を決める。そして色。
実際には、どうしても自分で決めるのは最初の図柄くらい。あとは、プロであるジャンニさんが、こんな感じがいいんじゃない?と提案してくれる。もっとも、第1の図案からして、よほど最初から絶対にコレ!というこだわりがなければ、やはりジャンニさんがこれはどう?こんなのは?とあれこれ勧めてくれる。

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アメリカ、日本をはじめ、国外の客がほとんど。にも関わらず、昨年までの超ユーロ高、そのあとの世界経済危機で苦しい戦いを強いられている観光都市ヴェネツィアにおいて、ここは不況知らず。というのも、新しい客もさることながら、一度来たお客さんが、たいていまた戻ってくるから、だそう。そして面白いのは、外国人に教えられて、イタリア人、それもヴェネツィアの人が注文に来たりするらしい。
最近、若い男の子がいるな~と思っていたら、息子さんが手伝い始めたらしい。これでようやく、少し仕事がこなせるようになる、と笑う。

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ちょっとアンティークな版画のようなこの名刺、実際に使ってみると、自分の思っている以上に日本人にもイタリア人にも、圧倒的に評判がいい。
今どき、ちょこちょこっとPCをいじれば、名刺なんて簡単にできるし、私も自分で作ったこともある。だが、あまり自信のないセンスが丸出しになってしまうのは、どうも好ましくない。特に、日本人にとっては、名刺は大事な「顔」のうち。決して安くはないが、これは自分のための投資、と思って数年前に作った分がなくなる前に、また作ることにした。

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2009年は、ぐっと運気を掴むために(!?)、「ヴェネツィアの赤」(rosso veneziano)を選んでみた。う~ん、期待通り、いや、それ以上にエレガントで落ちついた仕上がりに大満足。
デザインは?・・・これは実際にお会いしたときのお楽しみ!
(今ならまだ、古いほうがまだ少し残っているので、ご希望の方には2パターン差し上げます。)

ちなみに、制作には約1週間かかるが、希望すれば日本でもどこでも送ってくれる。

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Gianni Basso Stampatore in Venezia
Cannaregio 5306
(Calle del Fumo)
Tel. 041 5234681



28 febbraio 2009
by fumieve | 2009-03-01 07:24 | Shopping!
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