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ヴェネツィア ときどき イタリア

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こだわり&納得のベルトを作る、ティベリオ・フェッレッティさん

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イタリアを旅していて、町の中に、紳士もののおしゃれな店が多いのに気づかれた方の多いのではないだろうか?
スーツやシャツ、ジャケットといった衣料品もだが、特に靴やベルトなどの皮革製品は、見て、うーんと唸ってしまうことがある。ちょっとかなわない、というのだろうか。

そんな皮ベルトを作る、トスカーナの皮革工場を訪ねる機会を得た。
モンテカティーニ・テルメから車で10数分、大きめの住宅の下、または一部分がそのまま工場になった、イタリアで典型的な家庭内手工業会社。

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ツヤ、ツヤ消しにエナメル、またはスエード。まず素材としての皮の美しさに惚れぼれ、そして1つ1つの加工のこだわりに思わずため息。そして色。黒の絶対的なエレガントさに、茶のクラシックな存在感。あるいは明るい色、特殊な色の鮮やかさ。

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高級感のある皮製品はいかにもイタリアだが、ヴィンテージ・ジーンズなどにいかにも合いそうな、カジュアルなタイプもまた絶妙におしゃれ。
見ているだけのはずが、いつもの私の楽しい空想癖で、自分ならどれがほしいか、うーん、あっちがいいか、それともこっち・・・と、ついつい真剣に悩んでしまう。あ、これはほとんどメンズだから、残念ながら(?)プレゼント用か・・・。いやいや、メタボな私なら全く問題なく使えそうだ・・・(ポジティブ思考・・・?)とか。

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製造工程を一通り見せてもらう。
まずはカット。形や幅、長さをそれぞれ製品の企画表に合わせて切って、軽くなめす。
そして、表の皮の種類によっては中に入れる芯、装飾用の加工などを入れたりしつつ、基本的には同じ大きさにカットした裏張りの皮と、表の皮とを張り合わせる。
縫い取りなどの加工のあと、縁の色づけ。
バックルを専用の機械で取り付け、糸の処理などをして、完成。
実際は、皮の表面感を変えるための摩耗などの特殊な加工、染色液に漬けながらの加工、別の素材の貼りつけ・縫いつけなど、デザインによりさまざまな作業が加わる。
もちろんそれぞれ専用の機械を使っているとはいえ、基本的に全部、1本1本、職人さんたちが手で加工する。例えば、縫いつけや縫いとりは、通常は専用ミシンを使っているが、ミシン目でない手縫いのステッチがほしい、というリクエストがあれば、それも対応する。

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恐ろしく時間に正確できっちり屋、まるでイタリア人でないかのようなティベリオ・フェッレッティさんは、皮革専門高専(さすがトスカーナ!)を出てすぐにベルトに特化して仕事をはじめ、既に25年近くになる。
これまでに、グッチ、イヴサンローラン、ポール・スチュアート・・・と数え上げれば数限りない大手・一流ブランドからの依頼でベルトを作ってもいるが、彼の強みは、単なる顧客に答えるだけの製造者ではないこと。
毎年、シーズン毎に自らの新コレクションを考案、製作して世界中の顧客に向けて発信する。そんな彼のベルトを、そのままTiberio Ferrettiのブランド名で出している店もあれば、独自のコレクション・ラインに加え、そちらのブランド名をつけて出すところもある。
また、得意としているのは、靴とのコーディネート。実際、多くの顧客が、新作の靴のサンプルを送ってきて、それに合わせた色、デザイン、加工のベルトを仕上げて卸すことも多いらしい。
ほとんどが手作業だからこそできる、臨機応変な対応に、なんといってもその技術が光る。

ちなみに、こちらベルト専門で財布やバッグなどの小物などはあくまでも参考程度。

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さて、そのフェレッティ社のベルト、アメリカ他世界中に輸出されているが、イタリア国内では残念ながら「フェッレッティ」ブランドでは売っている店がない。
日本では伊勢丹本店にレディース、マルイにメンズがいくつかおいてある。

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また、企画・発案を含めた代理店業務を、日本ではComaCo works(コマコ・ワークス)のアキラさんという方がやっているので、もし、さらなる興味のある方はぜひご連絡を。フェッレッティ社は基本的には単品のオーダーは受け付けていないが、まとまった数が必要だったり、あるいは現在取り扱っている製品などのお問い合わせは可能なはず。

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幸せな空想から抜け切れない私は結局、参考商品の中のあるバッグが一も二もなく気に入ってしまい、いつかお金をたくさん稼いだら買いに来よう、と決意を固めつつ、工場を後にした。
(写真、1つ上は次の秋・冬シーズン用に新しいベルトのデザインを相談するティベリオさん(左)とアキラさん(右)。写真下は、今シーズン用にアキラさんの企画した新商品。一見シンプルなデザインだが、カットの合間から微妙にオレンジ色が・・・)

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10 marzo 2009
by fumieve | 2009-03-11 08:35 | Shopping!
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