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ヴェネツィア ときどき イタリア

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ローマの遺産、ルッカ

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水に恵まれ、周囲の土壌に恵まれ、気候に恵まれ、立地に恵まれたルッカは、当然のごとくローマ時代に発展した町の1つだった。
「ローマ闘技場(Anfiteatro Romano)」の矢印についていく。イタリアでは、ローマ時代の円形闘技場や劇場の跡の全形、または一部が残っているのは特別珍しくない。そんなふうに、ここでも街の中に突然ぽっこり、「遺跡」が現れるのかと思ったら、ここは、その「跡」を利用した現代の建物と広場に見事に変身していた。

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ほとんど不勉強のまま行ったルッカだが、某ガイドを見て気になっていた1つが、聖フレディアーノ教会(S.Frediano)。お目当ての、ファサードのモザイクは、13世紀のものながら、前世紀にだいぶ手が入っているらしく、期待していたほどのものではなかった。
興味をひかれたのはむしろ、教会内入ってすぐ右にある洗礼盤。12世紀半ばのものらしいが、その浮彫には、初期キリスト教独特の「よき羊飼い(キリスト)」なども現れており、モチーフ、スタイルともローマ時代の石棺を思わせる。
その後ろに見えるのは、マッテオ・デッラ・ロッビアによる彩色テラコッタの受胎告知。ロッビア一族の得意とする美しく井然とした構図に鮮やかな色付けが、ここはトスカーナであることを思い出させる。

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ほかにも、16世紀初頭のフレスコ画がほぼまるごと残る聖十字架または聖アゴスティーノ礼拝堂など、いろいろな時代の「手入れ」が少しずつ、まるでパッチワークのように残る。

街の中心にあるサン・ミケーレ・イン・フォーロ教会は、その名の通りもともとローマ時代のフォーロ(foro、広場)に建てられたもの。一方、ドォーモのすぐ近く、サンティ・ジョヴァンニ&レパラータ教会は、古く紀元後5世紀の司教区教会の基礎の上に建つ。

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その地下から、さらに古い年代にさかぼた紀元前1世紀くらいから数世紀にわたる年月、さまざまな建築物の遺跡が発掘されており、そこも見学できるようになっている。時間がなくなってしまい、駆け足になってしまったのが悔やまれる。

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今回は美術館なども全く見ていないし、自慢のオリーヴ・オイルを堪能したとも言い難いし、ぜひぜひぜひまた来よう、と思いつつ町を後にした。

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18 marzo 2009
by fumieve | 2009-03-19 08:41 | ほかのイタリア
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