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ヴェネツィア ときどき イタリア

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極東映画祭・6 映画だって一期一会

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なんなんだ、なんなんだ、なんなんだろう、この感じは???
人を囲んだ空気全体がふわふわと浮ついて昂揚しているような・・・。
ウディネ極東映画祭の最後を締める、「ヤッターマン」(三池崇史監督)の上映前の劇場内は、まるでこれから出しものを待つ子ども劇場のよう。君たち、ひょっとして子どもか?・・・いや、今どき子どもたちだってこんなウキウキ・ワクワク感は出さないだろう、というくらいの興奮状態に包まれていた。
残念ながら欠席の三池監督のメッセージを、イタリア語で読み上げる千葉プロデューサーの一言一言に大歓声。そして、「では、みなさんご一緒に、ハイ」
「ヤッター、ヤッター、ヤッターマン」「もう一度!」
「ヤッター、ヤッター、ヤッターマン」・・・
と4回繰り返して、始まった映画は、そんなイタリア人ヤッターマン・ファンたちの期待を見事に裏切らずに、彼らを最後まで興奮の渦に巻き込んで離さずにいた。
そして終わったときの、みんなの幸せそうな顔・顔・顔・・・。2時間の映画、たった1本で、こんなうれしそうな顔をできるなんて。近くにいた女の子2人に、「どうだった?」と尋ねると、熱狂さめやらぬまま「すっごくよかった!ほんとにアニメとそっくりーーー!!!」「でも本物(実写)だから、アニメよりもっといい~~~!」。

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何度も書いてきているように、イタリアでは映画を見ていても観客の反応がストレート。笑いどころでは爆笑するし、涙を誘う場面ではほんとに泣く。面白ければ拍手喝采、そのかわり、つまらなければブーイングも容赦ない。
私にとっては、だから、日本の映画がどう見られているのか、どう反応するのか、その臨場感がたまらなくいい。わかりやすいし、こちらも2倍も3倍も楽しい。
先日、「おくりびと」をここで観たときに、友人に「今日、ここでこの人たちと一緒に観られてよかった」と言われ、先を越された、と思った。まさに全く同じことを、私も思ったから。はっと息をのむ、息をひそむ、見つめる、耳を澄ます・・・スクリーンという、平面であるはずの映画が、会場全体を巻き込んで1つの生命体になっているような・・・。

今日の「ヤッターマン」も同じ。たぶん、日本にいたら、私は観ていなかっただろうと思う。だけど、この場で、大画面で、「心から楽しんでいる」人たちと観た、この楽しさはちょっとほかに代え難いものがある。

私が今日みた映画:

ララピポ、宮野雅之、www.lalapipo-movie.com (これだけはビデオ鑑賞しました)
クライマーズ・ハイ、原田眞人、http://climbershigh.gyao.jp
ヤッターマン、三池崇史、www.yatterman-movie.com

深夜過ぎに発表された観客投票では、やっぱりというか、「おくりびと」が栄冠を手にした。
ちなみに、詳細は以下の通り。

観客賞
(映画ごとに観客が投票用紙を受け取り、その作品を1-5で評価する。その平均)
最優秀 おくりびと 4.57点
2位 Scandal Makers, Kang Hyoung-chul, 2008, 韓国 4.36点
3位 The Rainbow Troops, Riri RIZA, インドネシア 4.22点

ブラッグドラゴン賞
(期間中全映画指定席のパスを購入した人による評価)
最優秀 おくりびと 4.71点
2位 4BIA, Yongyoo Thongkongtoonほか、2008, タイ 4.18点
3位 Connected, Benny Chan, 2008, 香港、4.04点

そして、なんと、映画情報サイトによるオンライン投票「My Movies 観客賞」では、なんと、タナダユキ監督の「百万円と苦虫女」が見事1位に選ばれた。こちらの次点は「ハンサム・スーツ」(英勉監督)・・・プププ。

いろんな映画があって、みんな好みもそれぞれ。だからやっぱり面白い。

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2 maggio 2009
by fumieve | 2009-05-03 23:50 | 映画
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