Francesco Fraioli コントラバス
Francesco Buccarella ピアノ
以前、
なかなか珍しいコントラバスの演奏会に誘ってくれた友人のご主人が、CDを出した。
フランコ・フライオーリ氏は、元・RAI国立交響楽団にて主席コントラバス奏者、現在は、テルニ音楽院のコントラバス科で教授を務める。
ヴィルモス・モンタッグ、 コントラバスとピアノのためのホ短調
ハンス・ピーター・リンデ、 コントラバスとピアノのためのホ短調
パウル・ヒンデミット、コントラバスとピアノのためのソナタ ロ長調
ジャズならばまだ、ピアノに十分対抗できる大きな体から発する、深くリズミカルな音で存在感たっぷり示すコントラバスだが、クラシックでは、ほんとはオーケストラの土台を支える欠かせない存在にも関わらず、華やかなヴァイオリンや管楽器の後ろで影武者のようになっているのがおち。
残念ながら、コントラバスのための曲は数がぐっと限られる上に、演奏される機会となるともっと少ない。
だから、20世紀の、コントラバスとピアノのためのソナタ3曲を収めたこのCDは、かなりマニアックな、いや、貴重な1枚と言える。実際、作曲家の1人であるリンデ氏からは、直接讃辞が届いたそう。
前世紀の曲とはいえ、3曲ともいかにも「現代音楽」的な気難しさはない。むしろ、美しい「クラシック」なクラシック、ソナタ曲といえる。・・・主役がコントラバスというサプライズをのぞいては。
ぐっと弓を引いた時の、音の深さ。それがメロディーを奏で始めたときの、力強さ。ふっと浮き上がるときの繊細さ。陳腐な言い方しか思いつかない語彙不足に恥じるばかりだが、コントラバスという、まさに低音の魅力に、うなるばかり。
日本では、バスマニアック
http://www.ne.jp/asahi/green/square/g-square/ns_kbc/shop/bassmaniac.html
イタリアではNBBレコード
http://www.nbbrecords.com/
で購入が可能。
奥様のおかげで、CDの解説も、イタリア語・英語に日本語もついているのが嬉しい。
22 giugno 2009