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ヴェネツィア ときどき イタリア

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ビエンナーレ・20~町中編15、かけこみ

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並行展:考古的めまい(Archeovertigo)、クリスティアーノ&パトリツィオ・アルヴィーティ

ヴェネツィア国立古文書館
本日まで

Meglio tardi che mai. (まったくやらないよりは、遅くてもやったほうがまし。)

ビエンナーレ自体は、11月22日まで開催しているし、国別展示に関しては原則、町中展でも同期間ずっとやっているはずなのだが、並行展や公認以外のものに関してはその限りではなく、少し早めに終わってしまうもの、または、先日のサン・セルヴォロ島のように、そろそろ会期が終了してしまうものもある。
行かなければ・・・と気になっていたのが、この、古文書館内にて行われている企画展。
ポスター等には8月9日まで、となっていたが、日曜休館で実質は今日8日まで。それも、昨日の午後行くつもりでいたら、金・土は午後閉館で、結局、今日、いよいよ閉展1時間前くらいのところで、ギリギリ飛び込んだ。

フラーリ教会にくっついた古文書館、受付(?)のある入口ではなく、左側の扉のところに展覧会の案内があり、入ってすぐの、その前庭とでもいうべき空間が会場。

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ローマの若い作家兄弟、クリスティアーノは1968年生まれ、パトリツィオが71年生まれ。

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8月の直射日光をまともに浴びたブロンズたちは、暑さにその体をくゆらせているかのようにも見える。

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そのクリスティアーノのブロンズ彫刻が、すべて男性をモデルにしているのに対し、パトリツィオの作品はすべて女性がモデルになっている。そして、どちらも同じように、Vertigo(めまい)というタイトルをつけているが、その表現方法がずいぶん違うのは興味深い。

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木板の上にセメント、あるいは金属板の一部を腐食させたような作品など、技法をミックスしたパトリツィオの絵画的作品が、個人的にはより気に入った。だが、それぞれ完成した作品、独立した作家でありながら、まるで補い合っているかのよう。

ふだんは入れない、美しい回廊にも展示があるのかと思っていたが、残念ながらそちらは門に鍵がかかっていて入れなかった。

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展覧会とは無関係だが、面白いものをみつけた。開いた本を示す、翼のはえたライオンは、かつてのヴェネツィア共和国の(平和時の)シンボルであり、また今でもヴェネツィアやヴェネト州の旗に使われるおなじみの図像だが、ここにはめこまれた(おそらく前の時代のものの再利用と思われる)プレートは、彫りの浅さと非常に形式化された顔が、中世前~中期っぽい。

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もう1つ、3頭のライオンが勢ぞろいの図も、これまたちょっと珍しい。何か特別な意味があるのだろうか?

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8 agosto 2009
by fumieve | 2009-08-09 08:05 | ビエンナーレ2009
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