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ヴェネツィア ときどき イタリア

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たまにはジャズも・・・Ken Vandenmark & Paal Nilssen-Love

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San Servolo Jazz Meeting

Ken Vandermark サックス、クラリネット
Paal Nilssen-Love ドラムス

昼間、もともとラグビーをやっていたという彼氏と、先日、ミラノのサン・シーロ競技場にイタリア対ニュージーランドのラグビーの試合を見に行ったという友人に、生で見るラグビーの面白さを、とくとくと語られたところだった。
何を隠そう、それを言うなら私だって、一度だけイタリアで、ラグビーの試合を見に行ったことがある。それも日本代表の。
イタリアでも、最近は随分サッカー以外のスポーツに興味が広がってきたんだな、と思ったのは、「オール・ブラックス」の愛称で知られるNZ代表チームの来伊が、ずいぶん前からさわがれていた上に、試合当日は、彼らが試合の前に必ず行うという、アボリジニ伝来の歌とダンスが、一般紙のスポーツ面に全部図解入りで掲載されたりしていたため。イタリアで、サッカー以外のスポーツで、しかもほかの国代表チームが、これだけ大きく、かつ、好意的に取り上げられたことがあっただろうか?




友人に誘われるがまま、いったいどんな音楽をやる人たちなのかも全く無知なまま、いつもなら国際会議などが行われている会議室の椅子にどっかりと腰をかける。来る前にひっかけてきた1杯がちょうどいい具合にまわり、うっかりするとうとうとしてしまいそう・・・。
が、パアーン、と華やかな音でいきなり始まったその音楽は、ちょうどラグビーのタックルのように、がっぷり4つに組んで押しつ押されつ、いや、組んづほぐれつといったほうがいいだろうか、パワフルでアグレッシブなものだった。

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パーカッションとサックス(またはクラリネット)という、なんだかそれだけでは物足りないような気がしていたが、心配はまったくご無用だった。
リズムを刻むはずのパーカッションが自由にメロディーを描き、本来は単音を奏でるはずのサックスが、その独特の吹き方によって、音が二重、三重とあたかも和音のように聞こえる。好敵手同士の、激しいテニスのラリーのように、極度の緊張感の中でむくつけき男2人の音が火花を散らし合う。
とろとろとまろやかなムード音楽的なジャズを期待していたとすれば全く別の、むしろ、ダガダガダガと機関銃を撃ちこめられているようなボディソニックな音に、ぼんやりと圧倒されているうちに、あっという間に時間が過ぎていった。

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元・修道院、一時は精神病棟を経て、現在は会議場などの施設に生まれ変わっているサン・セルヴォロ島で、毎年行われているジャズ・コンサート・シリーズ、San Servolo Jazz Meeting。今年はあと1回、11月26日(木)で最終回となる。

余談1:サックスはセルマー、クラリネットはクランボン、と、王道中の王道だった・・・。
余談2:ドラマーのクリアファイルは、なぜか北斎だった。

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(Paal Nilssen-Loveの写真は、公式サイトより借用)


21 novembre 2009
by fumieve | 2009-11-22 09:50 | 聞く・聴く
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