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ヴェネツィア ときどき イタリア

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カテゴリ:ヴェネツィア( 314 )

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ヴェネツィアにいて、すごく気に入っているのは、空がきれいなこと。建物が低いこと、水があることで空が広いうえに、なんといっても車がないから、イタリアの都市を悩ます排気ガスによる大気汚染とも無縁。夜は星がほんとうにたくさん見えるし、満月も三日月も、朧月夜もまたよし。
今日は、さささっと空に刷毛を走らせたような、うっすらと透ける雲に、思わず息をのんだ。

復活祭連休中、全国的に悪天候にみまわれたというイタリア半島だが、ここヴェネツィアも例外にあらず。曇りがちで時々小雨、ぐずついたお天気だった上に、満月と低気圧が重なったから、ひさびさのアックア・アルタ(冠水)も到来。復活祭当日の夜、いや正確に言うと翌日24日(月)の午前0:30には、潮位110cmを記録、深夜のサン・マルコ広場は水に沈んでいた。
カレンダー上は平日に戻った昨日、25日(火)から、ようやく太陽が空に戻ってきた。
そういえば今年は意地悪なお天気。カルネヴァーレの間も雨がちで、終わった途端に晴れたんだっけ・・・。

青空は戻ったものの、友人が「山の空気のよう」と表現した通り、晴れてはいるものの、さらりと乾いた、冷たい空気。まだまだ冬のコートが欠かせない。
それでも、午後6時でこの明るさ、いつのまにか、ずいぶん日が長くなったと思う。ついつい時間を勘違いして、のんびりしてしまう。
この週末からは夏時間になるとは、嘘のようだが、春はもうそこまで近づいている・・・。

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26 marzo 2008
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by fumieve | 2008-03-27 06:17 | ヴェネツィア

ヴェネツィアは「虚脱状態」

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週末はほぼ1年中、観光客でいっぱいのヴェネツィアも、たいていこの時期、カーニヴァルの後、復活祭の前までは一段落という感じになる。週末は比較的落ち着く一方、だいたい3月に入るくらいから平日にどっと増えるのが、学校の遠足や修学旅行。これが、はっきり言って、生活しているものにとっては、なかなか頭が痛い。

観光客のみなさんは、団体であれ、個人であれ、たいていは好きで来てるし、好奇心や興味があるから、ふらふら、きょろきょろしていても、ある意味、だいたい行動が読める。その合い間をぬい、巨漢の下をくぐりぬけ、こちらはアメーバのように体を上下左右しながら、狭い路地で彼らを追い抜くのにもいいかげん慣れてきた。
が、学校の生徒さんたちはほんとうに困る。だいたい、人数が多い。
知り合いは、「昔は、せいぜい高校生だけだったからよかったけど、今はオムツのとれないのまで来るからね~」と嘆いていたが、言わせてもらえば、小さいお子さん、幼稚園や小学校の低学年のクラスのほうがずっとまし。彼らはたいてい、2人ずつ手をつないで、きっちり2列になって歩くよう「命令」されていて、ちょっとでも列を乱すとすぐに先生やら、つきそいの親たちに注意される。立ち止まって説明をきくにも、どこかに座って「課題」の絵を描くにも、その年代はまだみんな一生懸命だから、見ていても微笑ましい。
それが中学、高校ともなるともうお手上げ。立ち止まっても、歩いていても、見学よりも自分たちのおしゃべりに夢中だからダンゴのように固まり、ずるずる・だらだら、それがほかの人の迷惑になっていることにはもちろん気がつかない。歩きたばこの子も混じっていたりするから、すれ違ったり追い越したりするのも、要注意。

「今どきの若者は・・・」と嘆くだけでは済まない場面に出会うこともある。
先日、駅の近くで、ちょうどクラス全員で集合写真を撮っている場面に出くわした。これから帰るところなのだろう、みんなで写真を撮ろうというのだから、楽しく過ごしたのだろう・・・と見守っていたら、写真を撮り終わった後、横に20人くらい並んで肩をくんだり手をつないだりしたその格好のまま、なんとそのまま「花一もんめ」(古い?)のような遊びをしながら、駅に向かって歩き始めた・・・。横20人一度に並べるのは、ヴェネツィアではかなり広い路地と言っていい。その道を完全にふさいで、夕方の人通りの多い駅近辺で花一もんめ・・・。そしてそれを笑って見守る先生・・・。

「あああーーーもうっ!!!!!」と叫びたくなったのは私だけではなかったらしい。先週、ヴェネツィア市長は、教育大臣に提案要請を出した。ここからが、いかにもイタリア。
「ジータ・スコラスティカ」(gita scolastica)、厳密にいうと、修学旅行という概念はないから、つまり、日帰りであれ、宿泊つきであれ、学校またはクラス単位の遠足、旅行、社会見学のこと。なんと、これをずらすよう何とかせよ、という要請。
観光都市ヴェネツィアは、財政上での特別措置を以前から要求してのは知られているが、そんなことまで国に要請するのか・・・とビックリ。が、そこは何でも主張したもん勝ちのイタリア。ひょっとしたらうまくいくかもしれないし、だいたい、言ってみなければわからない。しかも、著作も多く、文化人として全国区で有名な現市長がそんな提案をすれば、すぐにマスコミに取り上げられる。ダメでもともと、それでも、少しでも理解を示し、協調してくれる人・団体があれば・・・というのが本音かもしれない。
本日の新聞によると、教育相の回答は、まだ公式でないものの次の通り。
「それは市が解決すべき問題であり」(まあ、それはそうかもしれない)「教育省には、学校単位の旅行に関して一切何の権限・責任もない」。(そうでしょうともーーー!!!)
そして、「我が国の子供たちは、教育を受け、知識を得る権利があるし」(もちろん)「ヴェネツィアのような美術都市は、中でも欠かせない。」(そうでしょうとも。)
「でも、受け入れはあくまでも市の責任。」

なるほど。では、せめて個々のお行儀、もう少し何とかならないものでしょうか?あ、もちろん、それだって教育相のご担当ではありませんよね?

17 marzo 2008
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by fumieve | 2008-03-18 05:12 | ヴェネツィア

ティツィアーノの家

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Casa di Tiziano

ちょっと思い立って、ティツィアーノの家を見にいってみた。家といっても、別に記念館とか博物館になっているわけでもなく、中に入れるわけでもない。
ダレソレの家、というのは基本的にあんまり(もちろん、博物館になってそれなりにゆかりの品など展示されていれば別だが)興味がないのだが、ヴェネツィアに住んでいて、まがりなりにも美術史をやっていて、一度くらいは見ておいてもいいか、と。

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ヴェネツィア本島の北岸、フォンダメンテ・ヌォーヴェ(Fondamente Nuove、「新しい岸」)。ムラーノ島などへ行く水上バス乗り場の前、いくつかある細い路地のうち、カッレ・デッラ・コロンビーナ(Calle della Colombina、小鳩通り)をそのまままっすぐ。突き当たりにその門がある。文字は後世のものだろうが、TITIANVS VECELLIVS(Tiziano Vecellioのラテン語表記)と記されている。きっちりと扉は閉ざされたまま。
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インターフォン用と思われる、わずかな隙間からのぞきこむと、緑と、今は枯れているがブドウのアーチになっているのだろう、上からムラーノ・ガラスのランプが3つ、下がっているのが見える。




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そのまま、レンガの壁に沿ってカッレ・デッラ・ピエタ(Calle della Pietà、ピエタ通り)を奥へ向かう。そのまますぐ左に折れ、すぐまた左に曲がったところで、目の前に現れるピンク色の建物が、「ティツィアーノの家」本館にあたる。
壁には碑が貼り付けてある。




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ティツィアーノ・ヴェチェッリオ
ここに
45年間住み、
1576年に永眠。

ヴェネツィア
400周年記念に
この碑を設置。

11 marzo 2008
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by fumieve | 2008-03-12 05:18 | ヴェネツィア

霧・霧・霧・・・

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ここ数日(といっても週末は留守にしていたが)、そうそう、冬はこれだった、と思いだすような濃霧が続いている。

今日は、朝方はそうでもないか・・・と思ったが、午後になっても視界が開けるどころか、霧が濃くなった。

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車を運転する人、ヴェネツィアでも運河をゆく船には危険な霧、水上バスも運休や路線変更になる。
あてになるのは、自分の足だけ。






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霧自体はそんなに寒くないはずなのに、この湿気が体にしみるようで、体が重く、ずっと寒く感じる。

そんなハタ迷惑な霧も、肌には気持ちがいい。もともと超乾燥肌なのに、もう何か月も、ひどい吹き出物に悩まされていた肌が、少し元気を取り戻したような気がする。
もう少し、このままでもいいかも・・・。


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25 febbraio 2008
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by fumieve | 2008-02-26 07:05 | ヴェネツィア

過ぎたるは及ばざるがごとし、逆もまたしかり・・・

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秋から冬にかけての、アックア・アルタ(acqua alta、冠水)で知られるヴェネツィアを、今週悩ませたのは、アックア・バッサ(acqua bassa)。つまり、水位が低すぎて、あちこち支障をきたしているとのこと。

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確かに、ずいぶん水が低いな~と思ったのは、ここでも書いていたのだが、TVニュースなどによると、19日の干潮時の潮位が、-72cm, 18日(月)は-80cmまで下がったのだそう。
その後は、毎日少しずつ通常並みに戻りつつあるものの、やはり午後は見た目にもいかにも低い。
原因は、2週間以上にわたる晴天続きに、高気圧(気圧が水を押し下げるので)、そして、満月。2月には比較的起こりやすい現象らしい。
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ちなみに、満潮時の潮位が、+50cmを越えるあたりから、最も低いサンマルコ広場などではうっすらと水がつきはじめ、+100cmを越えると、島内多くの路地に水が出て、歩行などに困難が出る感じ、+120cmを越えるとサンマルコ広場などは完全に湖状態、新聞やテレビのニュースをにぎわすことになる。
その、アックア・アルタの原因となるのは、悪天候、低気圧、アフリカからの南風シロッコ(風がアドリア海の水を北=ヴェネツィアへ向けて押し上げるため)、そして同じく満月。

島ごと、建物ごと水に浸かるアックア・アルタが見るからに問題なのはもちろん、低すぎても、実は問題。建物などが必要以上に水から出ていることにより劣化を引き起こすほか、一部の運河ではゴンドラ、モーターボートなどが通行不可能になる。ただでさえ、網の目のように張り巡らされた運河は一方通行が多いのに、そこで通過できる運河が渋滞(!)するなどの水上の混乱が。
つまり、皮肉なことにアックア・アルタのときと同じことが起きる。

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一方、「バッサ」の珍現象としては、水の上に浮いている水上バス乗り場が異常に低くなっているほか、ゴンドラや水上タクシー、運送用のモーターボートなどに、乗り降りする階段が足りなくなったりするところも。

満月も過ぎ、お天気は何やら、少しずつ下り坂のようで、これ以上悪化することはなさそうだが・・・。

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21 febbraio 2008
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by fumieve | 2008-02-22 19:53 | ヴェネツィア

ここはどこでしょう?

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こうやって写真で見るとまるで模型のようなこの建物、実はヴェネツィアにあると言ったら結構驚かれるかもしれない。さすがにヴェネツィアの本島ではないが、魚の形をした本島の、それを支えるように南側にぴったり寄り添うジュデッカ島(Giudecca)にある、Teatro Junghansという小劇場。
昨年末に数回に分けて紹介した、大学の「映画祭史」は、同じ文学哲学部の中でも、音楽・演劇・映画などを扱ういわばエンタメ学科に所属し、校舎がこのジュデッカ島にある。授業でも通ってきていたのだが、今日は試験のため、再び(ちょっと久しぶりに)ジュデッカ島に渡った。

ジュデッカ運河をはさんで目の前、本島から水上バスでわずか数分。16世紀にパッラーディオの設計により建てられたレデントーレ教会をはじめ、本島に面している側は完全にヴェネツィアの典型的な風景を保っている。以前、親しい友人が住んでいたのでたびたび遊びに行ったが、狭い路地に小さな間口、玄関を開けるといきなり台所、と、本島と全く変わらぬ、狭い空間を最大限に生かしたムリムリ構造だった。

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エンタメ学科の校舎も、外壁は多少新しいものの、小さな木製のドアを開けるといきなり狭く暗い階段、上がったところに学生が入りきらない小さな教室がいくつかあり、ビデオや映写機がろくに動かない・・・とこれも本島にある他の校舎と変わらず。

今日は口述試験で、私の順番は30番。何番であろうとも一応開始時間にはいなければならないのが原則。人数が多いからひょっとして翌日以降に分割するかと期待したがそれもなく、したがってひたすら待つ。といって待合室などがあるわけでもなく、最初に運よく占めた椅子にしがみついていたが、座り続けているのにも疲れ、途中で散歩にでかけた。

校舎を出て、すぐ裏に回ってみたところで目にしたのが、実はこの建物。今まで、船着場から校舎までを往復していただけだったから、全く知らなかった。見て、ほんとうにびっくり。小劇場があるのはポスターなどで知っていたが、まさかこんな建物だったとは。

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そしてその周り、新開発地帯とでもいったらいいだろうか、新しいアパートが何軒か並んでいるのだが、これがまた嘘のようなモダンな建物。
建物の玄関口が全部ガラスになっていたり、と、材質や色が現代風になってはいるが、よく見るとヴェネツィアの伝統的な形をそのまま踏襲していている。洗濯物を干したり、日光浴や夕涼みに最適なアルターナ(altana、屋上テラス)。低くて狭いが、ちょっとあると便利なポルティコ(portico、柱廊)。そして、太鼓橋。
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そういえば、数年前に友人たちと散歩したときには、まだ工事中だったかもしれない。うんとお金を稼いだら、ここのアパートを1軒買いたい、と言ってたような・・・。

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ミニシアターがある一角は、完全に全てがモダンなのだが、途中、伝統的な建物と、今風な建物が隣り合って建っているところもある。違和感なくうまく調和しているのはさすが。

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散歩2度めはそろそろ夕暮れ。
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ちょうど4時間待って、ようやく試験を無事に終えて出てきたときには、外はもう、もちろん真っ暗だった。

11 febbraio 2008
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by fumieve | 2008-02-12 23:50 | ヴェネツィア

アパルトヘイト? ヴェネツィア市民専用水上バス誕生

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ヴェネツィアは特別。外の人も、中の人もみんながそう思っている。確かに世界で唯一の、正真正銘、海の上に人工的に作られた町であることには違いない。
不便じゃないの?と聞かれることも多いが、中に住んで、中で通勤・通学している分には、ほとんど不便を感じない。車がないのは不便かもしれないが、その分、渋滞もなければ、イタリアの多くの町を悩ます排気ガス問題もなし。
私のように、仕事でたまに別の町へ行くにも、遠くへ行く分にはかえって問題が少ない。電車はほとんど始発だし、イタリア第3の発着数を誇る空港まではバスで20分。
一方、ここに毎日通勤・通学、あるいはここから外へ毎日出ていく人は大変だと思う。なにしろ、ヴェネツィアからメストレに渡るだけで気候が違うし、イタリアのオハコ、電車やバスの遅れにいきなり巻き込まれる上に、ヴェネツィアに着いた途端に、目の前の運河に悩まされる。目的地まで、水上バスに乗るべきか否か。見ると、その水上バス乗り場には恐ろしくたくさんの観光客が殺到している。

その水上バス、観光客のみなさんにとっては、観光地の変わった乗り物、遊園地内のミニ・トレインだのと何ら変わりはないが、これは実は市営バス。市民にとっては必須の「足」でもある。ただでさえ住民の圧倒多数を誇るお年寄り。子供連れ、ベビーカーにショッピング・カート。たいていは歩いた方が早いし確実だが、そういうわけにもいかない。
だから、「高い」としばしば避難される水上バスの運賃、観光客は1回券6.5ユーロが、市民は1.1ユーロなのも、これはこれでやむを得ぬ、必要な措置だと思う。(注:1月までそれぞれ6ユーロ、1ユーロだったが、今月より値上げした)
それだけでも、今まで「差別だ」などと苦情があげられたりしていたのだが、今度はヴェネツィア市、この観光客の殺到するカルネヴァーレを前に奇策に出た。なんと、「市民専用バス」を設けてしまった。
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大運河をゆったりと走る、①番(各駅停車)、これまで82という番号だった急行を②番に改め、それに新たに③番を加えた。この③が「市民専用」。
運用はというと、同じ停留所でも乗り場を分け、③番の乗車口には係員がいて1人1人チェック。市民、と書いたが正確には、カルタ・ヴェネツィア、または定期券保有者。このカルタ・ヴェネツィアは、市内在住、及び州内在住者は購入することができて、確か5ユーロくらいで3年間有効だったか。(もしかしたら最近無料になったかもしれない)それ以外でも、通勤・通学で利用する必要がある人は、「定期券用カード」というのを申請でき、これが実際はカルタ・ヴェネツィアと(ほぼ)同じ権利を有する。
運用が始まったのは先週から。もちろん観光客から苦情・抗議もあるようだが、新聞を見る限りでは、さすが嘆くのが得意なイタリア人、ヴェネツィア人でも満足している人は皆無のよう。やれ乗り場が違う(今までなかったんだから・・・)、本数が少なすぎて意味がない(普通の観光客と一緒のラインに乗ればいいのに)、各駅停車でなくて急行が必要、我々は急いでいるんだから(歩けば?)、・・・で挙句の果てに利用者が少なくてガラガラなのだという。市の某著名人のコメントは、「アパルトヘイトを思い出させるわ!ヴェネツィア人は歩くのよ」。

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今日、その③番に乗ってみた。さすがに駅前は、厖大な観光客からの目をかわすためか、従来の①、②番と乗り場が離れている。③の看板を目指していくと、そこには青いリボンをつけたバイトくんがいて、カード・チェック。乗るとまあ、土曜日の午後、小雨がちということもあって、超満員ではないがガラガラというほどでもない。①とほぼ同じコースながら、1つだけ停車駅が違っているので、要注意。(Ca’ d’Oroの代わりに、もう少し駅よりにS.Feliceという駅を作った)そういえばこれも苦情の1つにあがっていたっけ・・・。
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そんなものを作るより、従来の路線の本数を増やして、観光客も市民も、よりたくさん早く運べるようにした方がいいのに、と思っていたが、正直のところ、人間身勝手なもの。確かに、私自身、水上バスを利用するのは、荷物があったり、雨が降っていたり、疲れていたりするとき。そんなときに、不慣れな観光客に占領された水上バスに乗り、声を張り上げて彼らを押しのけながら降りる、そんな苦労から解放されるのは悪くない・・・と思ってしまう。ましてや、私が利用するのは月にせいぜい数回だが、毎日のように使う老人なら?
が、唯一「大満足」と新聞に答えた80歳の老人は、「これでようやく我々の生活が取り戻せる。EU圏外のやつらに邪魔されることなしに」。・・・私と乗り合わせたら、やはり気分を害するのだろうか?

いまのところ試用期間の③番、今後の行方が気になるところ。

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2 febbraio 2008
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by fumieve | 2008-02-03 06:20 | ヴェネツィア

マニフェスト:ヴェネツィア・カルネヴァーレの場合

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いつの間にか日本では、「マニフェスト」って選挙用語になっているが、イタリア語でマニフェスト(manifesto)は選挙だろうが商用だろうが、ポスター、貼り紙一般のこと。
イタリアのほかの町と同じように、ヴェネツィアも普段から外に貼られているポスターがたくさん。それも、同じポスターを並べて貼って、より視覚効果を出すのが定番。
が、外に貼ってあるポスターはすぐにはがされ、あるいは上から重ねられ、あっという間にその姿をとどめなくなる運命にある。

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これ!という貼り具合のものがなかなかなかったのだが、今回、カルネヴァーレ関連のポスターが気になって紹介したいと思っていたのが、動物のシリーズ。白地の左側に目の部分に仮面をした動物が半身のぞいている。1日ごとの行事を細かく記したもので、だからポスターも日替わりで、全部でほんとは10種類近くあったはず。連続して貼ってもきれいだし、外貼りポスターにしては小さい(たぶんA3)なので、細い壁、柱などにもOK。
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全部動物かと思いきや、中に1枚こんなのもあり・・・どうやら、2月1日(土)は武道デイで柔道や合気道などの体験教室などがあるらしい。
と、ポスター・ウォッチングにいそしんでいたら、まさに動物ポスターを貼っているアルバイトの学生らしき2人組を発見!
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イベント会場は、例の「センセーション」ポスター。ここドルソドゥーロ地区は6感のうち、「触覚」だから、手のひらマーク。
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そして動物といえば、今日初めて発見したのがこちら!「町をきれいに」というポスターだが、右側の「ごみはごみ箱に」は、以前から似たようなものが4カ国語であったのだが、左側の犬マークのものは下の方に小さい文字ながら「公共の場所での犬の排泄物は、飼い主が始末しないと25ユーロから500ユーロの罰金」と書いてある。
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個人的に気になっているのが、この2つ(正確には3種類だが)のポスター。真ん中が、アッカデミア美術館の「最後のティッツィアーノ」展、両脇がパラッツォ・グラッシの「ローマと蛮族」展。ヴェネツィアでカルネヴァーレと同時に始まった2つの展覧会で、どちらも絶対に見逃せない。近いうちに時間を作って見に行かなければ・・・。

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1° febbraio 2008
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by fumieve | 2008-02-02 09:25 | ヴェネツィア

カルネヴァーレ・小休止

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今年のカルネヴァーレのテーマは、「センセーション(Sansation)~6つの地区に、6感を」。
ヴェネツィア本島の地区(セスティエーレ)、サン・ポーロ、カンナレージョ、ドルソドゥーロ、カステッロ、サンタ・クローチェ、そしてサン・マルコ地区それぞれに、視覚、味覚、触覚、聴覚、嗅覚、精神、のテーマを持たせるというもの。若干こじつけがましい上に、ポスターもあまりカルネヴァーレらしくなくて、どうなの?と思ってしまうが・・・。

そのカルネヴァーレも、第1週の週末を終え、いよいよ今週後半から最終日に向けての加速前、今日は一休み、といったところ。が、25日(金)に開幕したはずのヴェネツィアのカルネヴァーレも、本来ならたくさんのオープニング行事が予定されていた26日(土)は、ほとんどのイベントが延期、または中止になった。というのも、先週、市内の工業港で従業中に市民が2人死亡するという事故があり、事態を重くみた市としては、葬儀の行われた26日(土)は、市内喪中扱いとしたため。

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さて、今年のもう1つのテーマというのか、スペシャル・ゲストとでもいうべき扱いなのが「ルーマニア」。期間中、およそ40のイベント、そのために音楽家その他、約150人が招待されているというからすごい。
来年はぜひ、「日本」をテーマにしてくれないだろうか・・・。もっとも、カルネヴァーレは音楽やダンスが不可欠だから、日本の伝統文化は少々合いづらいかもしれない。
その「ルーマニア」年の開幕となるべきだった「ブカレスト・フィルハーモニー」。当初は26日(土)に予定されていたのだが、そんなわけで今日になったのを思い出して、暗くなってからサン・マルコ広場へと向かった。
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月曜の夜とあって、さすがに人が少ないのが残念。ところが始まってみると、オーケストラだというのに、両脇にしつらえた巨大スピーカーからがなり立てるように鳴る音が興ざめ。耳ざわりで音楽を楽しもうという状態ではとてもなかった。

・・・それで気分を切り替えて、仮装の人々を観察することに。

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昨日はごった返す人で近付く気にもなれなかった、カフェ・フローリアン。のぞきこむと、・・・なんと、不思議の国のアリス!・・・実は日本の方ではないかと思うのだが、いったいどなたでしょう?

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本日、1番気になったお二人はこちら。
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後でもう一度広場で見かけた。

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思っていたよりも、仮装の人がいるが、今日は外国人率が高い。


人数の多さと、圧倒的に豪華な衣装で、広場中の注目を集めていたグループ。
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・・・目をみはるほどの豪華には違いないのだが、・・・うーん、ちょっと違うんだな・・・よくばりすぎというのか、ごった煮というのか・・・そしてここだけの話、女性がみなさん、あんまりきれいでない・・・(失礼、でもほんと。)

というわけで、最後の1枚はお口直しに。

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28 gennaio 2008
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by fumieve | 2008-01-29 06:06 | ヴェネツィア

記憶と伝統と

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1月27日は、欧州ではアウシュビッツ解放記念日として知られる。イタリアでは「記憶の日(giornata della memoria)」と呼ばれ、休日でこそないが、国として、個人として犯した罪を忘れぬよう、そして二度と同じ過ちを犯さぬよう、毎年、国から地方自治体までいろいろなレベルで記念の行事が行われる。

一方、クリスマスに次ぐカトリックの重要な祭日、復活祭に伴って年により日付の移動する、カーニバル(謝肉祭)。今年は、2月5日がその最終日、マルテディ・グラッソ(脂の火曜日)にあたり、だいたいその前の10日ほどをカーニバル期間としているところが多いから、各地でこの週末にその開幕となった。

数日前に、ドイツのミュンヘンでは、この日にお祭り騒ぎをすることについて、ユダヤ人団体から抗議があったというニュースを読んで、
http://www.47news.jp/CN/200801/CN2008012401000190.html
カルネヴァーレが重要な観光資源であるヴェネツィアはどうするのだろう?と思っていたのだが、このニュース、イタリア内でも「ドイツでは・・・」という風に報道されていたから、イタリアでは特別に問題にならなかったようだ。

ヴェネツィアも、(当然)共存の道を選んだ。

今日、27日(日)午前11時、市内ゴルドーニ劇場(Teatro Goldoni)にて、「記憶の日」公式記念式典。ヴェネツィアのユダヤ人コミュニティ代表、県知事、市長の挨拶のあと、ミニ・コンサートが行われた。これがたいへんおもしろかったので、プログラムを書きうつしておく。
「用意されたピアノ(pianoforte preparato)」のためのミニ・コンサート
Anthony Coleman、Mordechai Gebirtigを弾く
programma
Mayn Yovl
Mamenyu An Eytse
Avreml Der Marvikher
S’brent
Oy Briderl, L’chaim

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プログラムによると、Anthony ColemanはN.Y. ダウンタウンのピアニストで、スペイン系ユダヤ人のフォークから、ドミニカ共和国のダンス音楽、サルサ、アフロアメリカン、タンゴにマンボ、バルカン音楽、現代ジャズに即興・・・と世界のあらゆる音楽をクロスオーバーして聴かせることで知られる、らしい。
Mordechai Gebirtigは、ポーランド、クラコフの家具修復職人ながら独学で作詞・作曲を行い、アイディアを書きつけた紙を友人に渡していた、という。1942年、クラコフのゲットー内でドイツ兵に射殺された。
2005年に、クラコフのユダヤ文化フェスティバルでAnthony Colemanが演奏した、これらの曲は、Shmutsige MangnatenというCDになっている。

アンコールも2曲たっぷり楽しみ、さて、ではカーニバルの方はどんな具合かと、サン・マルコ広場に移動する。もちろん、人・人・人・人・人・・・。
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毎年、カーニバル最初の日曜日恒例、「天使の飛来」は正午を予定されていたため、どうやら終わってしまったらしい。一方、仮装行列が続々と広場に到着しているのだが、近寄れないために全く見えない。かろうじて、ドージェ(Doge, ヴェネツィア総督)だけ、傘ですぐにそれとわかり、ようやく写真に収めた。
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お天気に恵まれたためか、今日は豪華な衣装の人も多い。ここ数年、そんな人たちをカメラに収めようとする普通の格好の観光客ばかりが増えて(私もその1人だが)なんだか味気なくなっていたのだが、今日は上々。
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重いのであろう衣装をひきずって、少々物憂げに歩き、カメラのリクエストに答えてポーズをとる。観光客も多いのだが、ヴェネツィア人はなんとはなしに貫録でそれとわかる。
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今日は圧倒的に本格衣装の人が多かったが、中には、「ゴッホ」さんなども。
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韓国の方と思われる、美しい東洋人のカップルも。
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今日はゲットーでは何が起こっているのだろうか、と夕方行ってみたが、カーニバル帰りの人々が通りすぎるくらいで、何もない、静かなふつうの日曜日の午後のようだった。
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リアルト橋のたもと(サン・マルコ側)では、「記憶の日」の一環で、「煙と叫びの国へ向かって(verso il paese dei fumi e delle urla)」というタイトルのビデオ・インスタレーションを実施していた。Andrea Morucchioの作品で、ユダヤ人がその胸につけされられた、星、または三角のしるしを、写真にして集めたもの。
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ゲットーの発祥もその語源もヴェネツィアと言われているが、ユダヤ人に黄色い目印をつけさせたのもまたヴェネツィアがたしか最初だったはず。言論にも宗教にも、民族にも寛容だったヴェネツィア共和国では、一方で厳しい住民監視と服装規定があったためで、必ずしもユダヤ人だけを差別するためのものではなかったとはいえ、区別をしていたのは事実。

飲めや歌えやのカルネヴァーレ、昔からきっと、いやなことを一時でも忘れ、無礼講で楽しむためにあったのだろう。罪や過ちは消えないが、せめて、世界中から集まる、少しでも多くの人々が楽しめる場であったらいいと思う。

27 gennaio 2008
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by fumieve | 2008-01-28 04:20 | ヴェネツィア